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声「何度言えばわかるんだよっ」
春原「でも、すげぇ小さい音だったっての」
春原がいた。
別の部屋の前で、やたら図体のでかい男子生徒と話をしていた。
男子「すげぇ小さい音でも、壁が薄いから響くんだよっ! ヘッドホンで聴けよっ」
春原「んな高級なもんねぇって、ははっ」
男子「じゃあ、聴くなっ」
春原「いや、でも、あれ聴かないと、調子出ないんだよね。それに、結構、イカす音楽だと思うんだよね」
男子「………」
春原「今度、歌詞とかちゃんと聴いてみてよ、イカしてるから」
男子「イカしてるも何もねぇ…。こっちは、むかついてんだよぉっっ!次聞こえてきたら、叩き出すぞっ!」
バタンッ!
春原「ひぃっ!………」
閉ざされたドアの前で、うなだれる春原
春原「くそぅ…ラグビー部め…」
そう小さく呟いた。
朋也「んな声じゃ、聞こえないだろ。くそぅ!ラグビー部めえぇぇぇーっ!」
その背後に立ち、大きな声で言い直してやる。
春原「ひぃぃっ!」
春原は俺の頭を抱えると、自分の部屋へと引きずり込む。
廊下では、『今の誰だぁっ!』と怒声が響いていた。
春原「はぁ…はぁ…。僕を殺す気かっ!」
朋也「おまえが言ったんじゃないかよ」
春原「あのさ、岡崎…。ただでさえ、ここのところ、連中との関係が穏やかじゃなくなってるんだからさ…」
朋也「派手に散ろうぜ」
春原「後、一年残ってるよ!」
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