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1年の終わり、担任の先生から職員室に呼び出されたわたしは、心臓が爆発するんじゃないかってくらいドキドキしていた。
普段から何の問題も起こさないわたしが、職員室に呼ばれること殆どない。
「失礼します」
ペコっと頭を軽く下げ、担任の先生の元へ向かう。
「生島先生、何でしょうか?」
昼休みだったためか、生島先生はお弁当を頬張りながらわたしを振り返った。
お茶をググッと飲み口の中を空にすると、生島先生は話し出した。
「早瀬、おまえは本当に優秀だ。しかも真面目!」
わたしはわけがわからず、何か誉められたようなのでとりあえず、ありがとうございます、と会釈しながら言った。
「と、そこでだな。頼みたいことがあるんだ」
生島先生はなかなかその『頼みたいこと』を言わずに、躊躇った。
「あの…それでな、ある奴に勉強を教えてやってくれないか?そのある奴がな……」
躊躇った様子を5分くらい繰り返した後に、生島先生が言ったのは、わたしを地獄に貶めるみたいな内容だった。
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