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―ガヤガヤガヤ
新しい制服…
新しい教室…
新しいクラスメート…
入学式だと言うのに、みんなガヤガヤとうるさい。
きっと一年間共に過ごす友達作りに専念しているのだろう。
俺はこういうのは得意な方ではない。
どちらかと言えばクラスでも浮いた存在?って感じだ。
女子達はそれを『クールだ』とか『シャイだ』とか言っているらしい…。
まぁ興味はないが。
―洋祐はそんな事を思いながら窓の外を眺めていた―
すると…
「なぁなぁなぁ~!!お前洋祐じゃね??俺の事覚えてるか?♪」
ん?なんだコイツ…人がせっかく思いふけっている所を邪魔しやがって。
馴れ馴れしいヤツ…
「誰だよお前。お前なんて知らねぇょ!」
「マジかょ~忘れたのかょ~俺だょ俺!小学校が一緒でいつも遊んでたじゃんかぁ~♪」
俺だょ俺って……オレオレ詐欺か!ってんだ。
ん?……小学校?
小学校でこんな馴れ馴れしいヤツいた……か……あ!!
「あぁ!?もしかして隆大かぁ!?」
「はぁ~やっと思い出したか~♪いかにも!俺は天下の峯岸 隆大様だぁ~♪」
隆大とは小学校が一緒だった。
明るく空元気でバカな隆大は何かと俺のこの性格に合っていたみたいで、毎日のように遊んでいたっけ…
俺が中学に上がる前に引っ越しちまってから会ってなかった。
相変わらずの脳天気バカ…
「あ~!なに笑ってんだょ~з」
いや。何でもない…
と言いながらも、洋祐は堪えきれずに笑ってしまっていた。
隆大はほっぺを膨らませて、すねている―
やっぱりコイツといるのはあきない…
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