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 犯人の少年も英夫の娘と同じ19歳だった。英夫が近くにあったタオルで少年の首を締めた時、少年は何故自分が殺されるのか理解出来ていないような顔で英夫を見た。目には涙を浮かべていた。  英夫は手にしていた一冊のノートを見た。少年が持っていたバックの中に入っていた。コンビニで売っている百円の小さなノートだ。 『日記』  と表紙にボールペンで書いてあった。ページをパラパラとめくり、手を止めた。娘が行方不明になった日付、10月2日の日記を発見したからだ。  その日の日記はたった一行だけだった。 『毎日つまらないです』  ただそれだけだった。
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