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美緒の言いたい事は分かったのだが、そのせいだろうか、少し意地悪をしたくなってしまった。
「美緒…?」
頭の上に手を優しく乗せて、撫でて上げると、あうぅ、と可愛らしい声を上げて俯いてしまう美緒。
いまや、耳まで赤く染まってしまっている。
かじったりしたら怒るよね…。やめとこう。
「美緒?何か言いたい事があるんだったら言ってくれ。言ってくれないと分からないよ。」
「え、と…えと……」
口をパクパクさせる彼女の顔はもう赤いなんてレベルではなく、燃え始めんばかりの勢いだ。
「手を…、手を……」
「手?手がどうかしたの?」
そんな白々しいセリフを吐きながら、美緒の手をぎゅっと握り締める。
「…!は、はわわわぁ……」
すると、よく分からない奇声を上げてその場にへなへなと倒れ込んでしまった。
…。
こいつ、本当に可愛いな。
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