take 1

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   ◆ 「おい、こら変態。何だこれ?」 俺は今、友人の家でパソコンのモニターを眺めている。モニターには、男と女のキャラクターが映っていて、何やら現実離れしたやり取りをしていた。 いわゆるギャルゲーだ。いや、エロゲーかも。 俺の名前は白田章人。このゲームの主人公の名前も、章人。 計り知れない悪意を感じた俺は、思わず、友人の事を睨みつけてしまった。 「いや、ほら、君彼女いないって言ってたから、せめて電脳世界の可愛い彼女をプレゼントしてやろうと思って……。 今日、君、誕生日だし。」 そう、今日は俺の誕生日。それを覚えてくれていた友人には、心からお礼を言いたい。だがしかし! 「お前、これ、舐めてるよな?俺の事。」 誕生日に親友がわざわざ遊びに誘ってくれた。しかも、俺の様子を気にしたように、ソワソワしている。そんな、何かありそうなシチュエーションに胸を高鳴らせていたのに! え、これもしかしてサプライズある?とか思ってたのに! とんだサプライズだよ、ボケが!驚き過ぎてハラワタ煮え繰りかえってきたわボケぇ! 「そ、そんな怒んなって!ちょっとした出来心じゃん!」 「うっせぇ!俺の胸のドキドキを返せ!」   俺は我が大親友に、誕生日プレゼントのお礼に脳天かち割りチョップをプレゼントしてやった。 うん。 すげえスッキリ。  
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