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♪何回やっても
何回やっても
エアーマンが
「倒せ…、ん?」
耳に流れ込んできていた心地よいメロディーが、突然、途切れた。誰かの手によって、作為的に。ううん、悪意的に。
いやまぁ、誰の仕業かは分かっているんだけど…、ちくしょう!今メチャクチャ良いところだったのにぃ!
「朝から一人で何をブツブツ呟いているのかしら?気持ち悪い…。鳥肌がたってきたわ。Hな妄想は家か、トイレでやってくれるかしら。」
「な、おま…!朝から人に向かって気持ち悪いとかいうんじゃねぇ!
大体俺はHな妄想なんてしてねぇよ!」
背後から聞こえてきた暴言に対し、反射的にそう返す俺。
ていうか、その指でつまんだイヤフォン返しやがれ!
それは、俺のだ!
「全く朝からギャーギャー五月蠅いわね…。あぁ、ごめんなさい。あなたの学力じゃ、この程度の漢字も読めなかったわね。あなたが馬鹿だっていう事、忘れてたわ。
よろしくて?これは『うるさい』って読むのよ?あぁ、『うるさい』って言うのはどういう意味かって言うと……」
「それ位知ってるよ!馬鹿にするな!!」
「馬鹿にしてるんじゃないわよ。実際に馬鹿だから可哀想に思って、それを指摘して上げてるんじゃない。
全く、人の好意をそうやって踏みにじるなんて、最低の人間のする事だわ!」
「うるっせぇよ!それだったら馬鹿にされてる方がまだマシだよ!」
「…本当にさっきから五月蠅いわね。この蛆虫が。大体あなたさっきから、『!』が多すぎるのよ。殆ど全部文末が、『!』じゃない。
全くこれだから、ワンパターンの単細胞生物は…。ミジンコの方がまだ賢いわ。」
…。
朝、会ってから数分も経ってないというのに、物凄い言われようだった。
俺が一体、何をしたと言うのだろうか…。
とりあえず、勘弁して頂きたい。
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