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「ありがとう。美味しく食べさせてもらうよ。でも、大変だったんじゃないのか?」
「い、いえ!全然、大変なんかじゃ…、ないです。」
僕がお弁当を食べると言ったのを聞いた瞬間、凄く嬉しそうな表情になる美緒。
かと思うと、急に手をもじもじさせ始めた。
「あ、あの…」
「うん?どうした、美緒?」
「も、もし、もし宜しかったら…、その…」
ごにょごにょと呟くように喋る美緒。少し聞き取り辛かったが、精一杯何かを伝えようとしてるのが分かる。
「み、美緒と…、お弁当一緒に食べてくれませんか?…も、もし嫌じゃなかったらです、けど……」
顔を茹で蛸のように真っ赤にしながら、そんな控え目なお願いをしてくる美緒。
やべ、超可愛い。
「勿論だよ。…ていうか、いつも一緒に食べてるだろ?」
「で、でも、今日から新学年だからクラス変わっちゃいます。それで、違うクラスになっちゃったら、章人君、もう美緒と一緒にお弁当食べてくれなくなっちゃうんじゃないかと思って……」
不安そうな表情でそう言う美緒。
あぁ、なるほど。そういうことか。
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