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「バーカ、何変な心配してんだよ。もしクラスが違くたって、今まで通り一緒に食べて上げるよ?」
「本当…ですか?そう言って貰えると、凄く嬉しいです。」
にこり、と満面の笑みを見せてくれる美緒。あんまり可愛らしい笑顔に、思わず抱き締めてしまいたくなる衝動に駆られるが、それを理性で必死に抑える。
美緒には嫌われたくないからな…。出過ぎた行動は控えないと。
「章人君…?」
美緒がそのつぶらな目で僕を見つめてくる。小柄な彼女は、僕の顔を見ようとすると、自然、若干上目がちになり、それだけで、僕の心の多分とても大事なのであろう部分がくすぐられる。
「ど、どうした美緒?僕の顔になんかついてる?」
「え、その、そういう訳じゃなくて…、えっと……」
またも顔を真っ赤にして何かを言いたそうにする美緒。一体今度は何だと言うのだろうか。
「手…」
「…手?」
「手…を……、あ、いえ、やっぱり何でもないです…!」
そう言って胸の所で固く手を握り締める美緒。
頬を紅潮させて、その華奢な体は微かに震えている。
その態度で、美緒の言いたい事は何となく分かった気がした。
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