赤染

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がたがたん、がたごとん。 不規則な音を立てて、電車は進む。 乗客は田舎だからか人は少なく、十分にまだ座れる場所はあり談笑する男女もいたりした。 が、出入口の手すりにつかまってしきりに携帯を見てブツブツ呟いている少女が一人。 「湘南新宿ライン…から……池袋で乗り換え…山手線内回り…」 食い入るように画面を見ていたかと思えば、よし、と意気込んでポケットに携帯をしまう。 が、また不安なのか携帯を開いて先ほどと同じようにブツブツと呟き始めた。 「(ふぐうぅ…全くわからない…!と言うか、外回りと内回りの区別ってどうするのっ!?)」 そう少女が頭を抱えて悩んでいると、マナーモードにし忘れていた携帯から着信音がなる。 少女は慌てて画面を見、着信だったため通話ボタンを押して耳にあてた。 ちらっと周りに目を向けると数人見ていたのが申し訳なく、小さく会釈した。 「……はい?」 『あ、もしもぉーし!由奈ァ?私、恵梨!』 すると、ボイスから元気な声が聞こえてきた。 恵梨と名乗った女性は楽しそうな声で言うと携帯を数センチ離しても聞こえるような音量で話し始めた。
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