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外部から体内に何かを入れる想像。情報を手繰り寄せろと言われたら、自分としてのイメージはこれである。
自信なく、しばらくはそうしていると。ぼんやりと瞼(まぶた)の裏で何かが浮かんできて、それが徐々に形を整っていく。
「……! 見えてきた」
整っていく形は映像になり、街を上から見下ろしたこの街の地図を完成させる。
いや、それだけではない。
その地図の要所要所には赤い点が2つ存在していて。1つは学校より南西にある豪邸区と呼ばれる場所に、もう1つはこの家より大分東の森の場所に光っている。
もしかして、これが……。
「赤く光っている点ってのは、屍体がいる場所って訳なのか?」
目を開けてエレアにそう聞くと、頷きでの返事を送られた。
そして、その返事に上乗せされこう自分に言ってきた。
「参加者は赤い点がある場所へ行き、屍体を倒して名を集める事になる。
私達はその場所に近寄らず、屍体との無用な争いを避ければ良いだけさ。
参加者の場所は特定出来ないけど、屍体を求めて赴くのだから。無論、屍体から離れて行けば参加者と会う事も無いだろう」
赤い点の場所に近づかなければ安全か。逆を言えば、赤い点が近い分だけ危険だという事になる訳だな。
もしかして。エレアが暗い部屋の中、考え事をしたいと思いながらもパネルを開いていたのは――――。
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