第3章 ~青雷~

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「そうやっていつも、屍体の位置を確認してくれていたのか?」 「私は魔術師ではないからね。こういった物を通してでしか、屍体の居場所さえも把握は出来ないのさ。  なら、護衛役としてだ。常に確認して主の安全を考えるのは当然だろう。――――とは言ってみたものの、アラーム機能を付けて放置してる時もあるんだけどね……」  頬をかきながら、最後の方は空笑いして答えを返すのだ。  そのアラーム機能という点に、いささか安全面に問題があるのでは? と突っ込んでみたいものだが抑えておこう。  さてと、気になったパネルの映像についても分かった事だし。エレアに改めて、本題の話をしようではないか。 「護衛役の苦労に感謝するよ。だけど、護衛役の任は少し雲行きが怪しくなるぞ。  さっき、自分にある奴から電話が入ってきてな。主な内容がエレア宛てで、話があると言ったのはその内容についてなんだ。  電話の内容を簡潔に述べると。エレア、仕事をしろって地主様が頼んできた」  どちらかといえば、仕事やりなさいよって命令だった気もするのだが。そう伝えると話がこじれそうだから、ここは柔らかい表現で伝えてみる。  自分の話を聞いたエレアは、頬をかいていた手を今度は顎(あご)へ移し当てて、困惑の表情を浮かべながら言う。
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