第3章 ~青雷~

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「待ってくれないか定高。……その、やっぱり尋ねたいから聞くけどさ。  この案に乗ってくれたのも、定高の優しさではなく打算なのか?」  話を掘り返すように、今一度と尋ねられた。何を言って欲しいと期待されているのか、ある程度予想は付くのだけれど。  期待に応える義理なんてもの無い。公園の時と同じで、本心で返事を述べる。 「打算というよりも責任か? まぁ、その辺りの類であるのに違いない。  優しさがもしあるなら、今すぐ護衛を解いて自分は他の街にでも身を潜めるぞ。そっちの方がより良い結果に繋がるからな。  それを選ばないのは我が儘という横暴だな。優しさなんか持っていない、期待するだけ無駄だ」  だから、もう尋ねるなよ。と言わずして、鋭い視線を送って伝えた。  視線を受け取り、目を閉じながら。 「そうか……、分かったよ……」  言い、押し黙るエレア。  期待なんて持つからそうなる。初めから安易な期待していなければ、ガッカリなどはしなかっただろうに。  でも、これで懲(こ)りただろう。今後、同じ質問をされない事を祈る。  入った時と同じ顔を浮かべるエレアを一見し、自分は部屋を出た。
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