第3章 ~青雷~

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「妥協案を受けるけど、仕事というのは何をすればいいんだ?」 『そこいら辺は彼女に聞いたら。  というか、何をするかは全て彼女に任せるわよ。私は何も言わないわ』  勝手にやってちょうだい。なんて、そういう意味にしかきこえなかった。 「それは無責任と言わないか?  仕事内容をエレア任せにするなんて、地主としてそれでいいのか?」 『これが当たり前なのよ。  いちいち、こっちが指示出さなきゃ出来ません。って無能じゃあるまいし、全部本人に任せるものよ。  私が求めるのは結果よ、結果。行方不明者がどうなのか、なんかの企みに巻き込まれてないかただそれだけ。仕事のやり方に指定しないわ』  実力者に指示を出すより、本人の自由にやらせる方が良いって事だろう。  でも、そうだとしても不安が残る。 「大丈夫か……?」 『彼女、断罪者の一員なんでしょ。なら大丈夫なハズよ。  実力の無い奴から死んでいく世界に生きてんだし、なるようになるんじゃない? ま、それは本人しか分からないわね。  あ、別に私は鬼じゃないわよ。泣きついて来た時にはちゃんと手を差し伸べるから、困った時は安心して泣きつきなさい』  そうかい。それなら、その時がもし訪れた時に甘えるとしようか。一生来ない事を祈りたいがな。  それから言葉を2、3度交わし別れの言葉を言い、受話器を戻し電話を切った。
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