第3章 ~青雷~

70/111
前へ
/1457ページ
次へ
「まだ話は終わってないよ。  囮役をこなしつつ、もう1つ仕事をする。どちらかと言えば、その仕事をしながら囮役をするというのが正しいかな。  その仕事なんだけど。行方不明者が生存している場合を考えれば、居なくなった人数を収容する場所が必要になる。そこを突き止めるのも重要な仕事さ」  藪(やぶ)をつついて蛇を出す。というのだな。出てくるのが蛇で、竜が出て来なければ良いのだが。  牛蒡を口に運び、渋い味を噛み締めつつ白米と共に喉を通す。  エレアの話は続いている。 「ただ、最悪を想像するならば。  見つけた犯人の巣が墓場状態。……いい話ではないが、突き止めた場所には死体しかないという可能性もある。事件起こした犯人が、死人使い(ネクロマンサー)かもしれないし。  全員が生存してて欲しいけれど、最悪を想像しないのはダメだからね」  希望を持つのは良いことだが、最善ばかりしか考えてないと足を引っ張る。エレアらしくない考え方だったが、彼女もそこは理解しているのだな。  それにしても死体か……。飯を食べている時に聞く話ではないな。が、話を聞いておくに越した事はないな。  少し疑問を尋ねてみる。
/1457ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加