第一章

12/12
前へ
/46ページ
次へ
 事故から二日後。 聖が訪れると空月の病室は綺麗に片付けられ彼女の姿も消えていた。 担当医に聞くと転院したのだと言われた。 なんでも幼い頃から服用している薬があり他の薬を併用するのが怖いので自分のかかっている病院へ転院希望を出したらしい。 担当医が聞いても病名や薬を答えてくれなかったので転院許可がおり許可がでると同時に病院を出て行ったとの事だった。 何処の病院に転院したのか尋ねたがそれも答えてくれなかったので担当医達も知らなかった。    聖達は彼女の行方を捜し続けたが見つけられないまま月日が過ぎていった。   ―たった三日だけの出会いだった。けれど俺と兄貴の心に深く残る三日間だった―
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加