第一章

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「この野郎!!」 「あぶなっ・・・・・」 もう一人の少女が叫ぶ前に、華蓮は体勢を低くして、振り下ろされる腕を左手で払いのけ、間髪を入れず右腕で男のみぞおちに思いきり肘鉄をくらわせた。 「・・・・・・・っ」 声にならないうめき声をあげて男は再度地面に転がり、それでも無理に起き上がると、痛みにうずく腹を抱えてよろめきながら、逃げるようにその場を去っていった。 「・・・・・・・・・・・」 一瞬の沈黙の後、観衆から歓声が上がる。 「やるねぇ嬢ちゃん!!」 「いやーすっきりしたわぁ!!」 「君何か武道でもやってたのかい!?」 少女の人並みはずれた敏捷な動きに、人々はほかにもすげーかっこいーなどと言っていたが、華蓮はそれらに軽く会釈を返すと、もう一人の少女の手をとって駆けだし、その場を後にした。
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