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「この野郎!!」
「あぶなっ・・・・・」
もう一人の少女が叫ぶ前に、華蓮は体勢を低くして、振り下ろされる腕を左手で払いのけ、間髪を入れず右腕で男のみぞおちに思いきり肘鉄をくらわせた。
「・・・・・・・っ」
声にならないうめき声をあげて男は再度地面に転がり、それでも無理に起き上がると、痛みにうずく腹を抱えてよろめきながら、逃げるようにその場を去っていった。
「・・・・・・・・・・・」
一瞬の沈黙の後、観衆から歓声が上がる。
「やるねぇ嬢ちゃん!!」
「いやーすっきりしたわぁ!!」
「君何か武道でもやってたのかい!?」
少女の人並みはずれた敏捷な動きに、人々はほかにもすげーかっこいーなどと言っていたが、華蓮はそれらに軽く会釈を返すと、もう一人の少女の手をとって駆けだし、その場を後にした。
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