第一章

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くだらない物語だ。 小さい頃はそれなりに怖がったものだが、十六を過ぎた今となっては馬鹿馬鹿しい昔語りに過ぎない。 だから、この内からくる震えはきっと武者震いだ。 もしくはただ寒いだけかもしれない。 夕暮れはとうに過ぎ行き、辺りは闇に包まれ始めている。 時は10月も終わり。 Tシャツ一枚では寒くなってきた。 僕。秋山一夜(あきやまいちや)は森の前でたたずんでいた。 一時間は経っただろうか。 どうも、頭でわかっていても一歩が踏み出せない。 でも僕には捨てるものも得るものもないのだ。 たとえ、ここで行方不明になったところで心配する人などいない。何を、迷う必要があるのだろうか・・・。 重い一歩を踏み出した。image=203651207.jpg
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