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僕は相変わらずの日々を過ごしていた。
時々栗ちゃんがやってきた。クリスに言わせると今や定期便などではない。らしいが。
ここに来てどのくらい経つのかわからないが、クリスに聞いたところ、時間の流れが違うので森を出ても多分数時間しか経っていないだろうとのことだった。
都合のいいことだ。
でもそれは、クリスが過ごした時の膨大さを考えさせられる。
彼の体感時間はどれだけ途方もないものだったのか。
たまにやってくる神父と語り合い、迷い込んでくる人の世話をして過ごしていたのだろうか。そして、僕はその中の過ぎ去る人の中の一人なのだろうか。
それでいいのだと。それが当たり前だと。
そう思っていた。
あの日まで。
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