第三章

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仲間の間でも、その昔どこかの学者が、共存を願って開発したそのクスリが、迷いの森の入り口となっている森に隠されていると、噂されていた。 そんな、幻のクスリをラスティアは嫌がらず一緒に探してくれた。 村に来てすぐ、村の女性の血を頂いているところをラスティアに見られてしまったのだ。 彼女は教会の娘らしく、私をなじったが、私が飲みたくて飲んでるわけではないこと、飲んでも、少しだけしかもらわず、記憶もちゃんと消していること。飲まなくて良くなるために、クスリを探していることを話すと、納得してくれ、協力することを約束してくれた。 そんなある日、森の奥に一つの大木を発見した。木の周りの生物はみな死に絶え、でもその木自体は隆々と息づいている。不可思議な場所だった。 その木には丸い方陣のようなものが書かれてた。木に直接削り書かれたその円陣をみて、ラスティアはどこかで見たような気がすると興味深そうに見つめていたが、結局わからないまま、その日その場を去った。 それから、数日。毎日私を迎えに来ていたラスティアが現れなくなった。 突然どうしたのかとは思ったが、彼女は教会の人間。なかなか家には行けず、仕方なく独り森へと行こうとした。 すると、一人の女性が近づいてきた。 彼女はラスティアが居ないのを承知で来たらしい。 私と彼女は二人で森の中へと入った。 それからしばらく、そういう日々が続いていた。 ところが。
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