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その現場をラスティアに見つかってしまった。
血をもらうためとはいえ、女性を口説き落としている最中だっただけに、気まずく固まっていると、彼女は私を拳で殴り倒した。
その間に、夢心地になっていた女性は正気を取り戻して逃げていた。
ラスティアは懇々と私を怒り倒した。私はその間、うつむいて正座していたのだが、ふと、彼女の罵声が聞こえなくなり、上を見上げると。
目を吊り上げて
眉をへの字にまげて。
彼女は泣いていた。
気丈な彼女が泣くことがあることに、私は驚き、後悔した。
彼女を泣かせたことを。
その原因が自分であることを。
「血を飲むなら、私のだけにして。他の人に知られたらどうするの?」
泣きながら崩れ落ちた彼女を私は抱きとめ、しばらく彼女の背中をさすっていた。
いつも元気で私を振り回す勢いの彼女の、腕の中の小ささに、驚愕すると共に、愛しさが募った。
「誓おう。君の血しか飲まないと」
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