ザッキルテへの告白

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アノーマは思わず校庭に飛び出していた。あたりを見回したがザッキルテの姿はどこにも見えなかった。あれは月の光が見せた幻だったのだろうか。それにしてはあまりに- 彼女はザッキルテが行ったと思われる方へも歩いてみたが、やはり誰もいなかった。校長に連絡すべきかどうか考えていると、遠くに守衛の懐中電灯の光が見え、アノーマは慌てて自分の部屋へと戻った。 本を開いてみてもまるで集中できなかった。あの校庭にザッキルテは本当にいなかったのだろうか。明るい光を投げかけていた月は、同時に濃い影も落としていた。あの影のどこかにザッキルテは身を潜めていたのではないか。もしかすると自分のすぐそばにでも。 どこかで誰かが扉を叩いているようだった。アノーマはベッドの上で目を開いた。昨夜は結局あのまま寝てしまった。時計を見るといつもの起床時間より1時間以上前だった。なぜ自分はこんな時間に目が覚めたのだろう。その疑問と扉を叩く音とをアノーマが結びつけるのに少し時間がかかった。叩かれているのは自分の部屋の扉ではないか。 扉を開くとメリキドル校長が立っていた。 「一緒に来てくれませんか。」青い顔で彼女は言った。
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