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「・・・・まぁ。俺の服はぼちぼち買いますぅ」
まったく買う気がないっという表情でカフラドは頷いてみせた。
広い草原をぬけてから、数時間後・・・。
「あ、あれとちゃう?」
よく目を凝らさなければ見えない距離に、建物の屋根らしきモノを見つけたカフラドに対し、もっとも視力が高く数キロ先も見渡せるはずのエルフは目を細めてその方向を眺めている。
「よくわからん」
「ほら、あそこに赤とか青の屋根があるやろ。見えへん?」
「見えん。遠すぎて色すら見えん」
「つくづく思うがオメェ、絶対エルフじゃねェなぁ」
カルウェンツの言葉に、スタークは振り向いて答えた。
「この髪に、瞳、とがった長い耳、そしてこの整った顔、どれをとってもエルフそのものだと思うが?」
「俺が学校で教わったエルフは・・・人間の数十倍の知識を持っていて、温厚で正義感が強く、争いや悪を嫌うと言ってたんだがなぁ」
「まさしく私そのものではないか」
「なんでやねん!!」
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