第二章~出会い~

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気怠い朝を迎えて繭は眉間にシワをよせた。 うっとおしい程のキレイに晴れた青空。 どこかにいきたくなる程、暑くもなく寒くもない、気持ちの悪い気候。 繭は切れた唇に歯を立てて、口腔内の血の味を楽しむように口の端を持ち上げた。 昨夜のあの物体は、繭の言葉にキレて女の顔を本気で拳で殴った。 思わず笑ってしまった。 あの物体の溢れ出す感情に。 高笑いを止められなかった繭に、男は「気持ちわりぃー。」と呟き去っていった。
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