5人が本棚に入れています
本棚に追加
気怠い朝を迎えて繭は眉間にシワをよせた。
うっとおしい程のキレイに晴れた青空。
どこかにいきたくなる程、暑くもなく寒くもない、気持ちの悪い気候。
繭は切れた唇に歯を立てて、口腔内の血の味を楽しむように口の端を持ち上げた。
昨夜のあの物体は、繭の言葉にキレて女の顔を本気で拳で殴った。
思わず笑ってしまった。
あの物体の溢れ出す感情に。
高笑いを止められなかった繭に、男は「気持ちわりぃー。」と呟き去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!