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繭は、目を細めた。
そぅ。
それでいい。
キラキラと輝く新緑に、目を細めて、繭は笑った。
「…随分、楽しそうな顔をしているじゃん。ヒドい顔して。」
後ろから声をかけられて、繭は振り返り苦虫を潰したような顔をして、相手を睨んだ。
「…空…
止めて。後ろから気配を消して近づくのは。」
繭にそう呼ばれた男は、ハハハっと軽快に笑って言った。
「お前が勝手に思考をどこかに飛ばしているからだろう?」
そう、昨夜の物体と似たような風貌の男が繭に話しかける。
繭は密かに嗤いながら、男を見上げた。
そぅ。
あの日もこんな天気だった。
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