‡序章‡
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物置の奥深く、忘れ去られた段ボールの底に、それはあった。 赤黒い題字は、相変わらず、血染めのようだった。 文は、パラパラとめくってみる。 当たり前だが、中身はあの時と同じだ。 外見は、ずっとほったらかしにしておいたので、いっそうくたびれているように見えた。 文は縋るような想いでその本を手に取った。 そして、文机まで持って行き、ページを開く。
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