‡序章‡

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 だが、病弱だったため、家は次男が継いだ。  結婚して以来、連絡などしたことがなかった。  ましてや、毅一の実家は資産家などではない。  とても頼めやしない。  また、もし頼めたとしても、どうすることも出来ないであろう。  日毎に衰弱していく夫を看病しながら、文は途方にくれてしまっていた。  このままでは、毅一が死んでしまうのは、火を見るより明らかだった。
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