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「見ての通り、どう考えても戦争に来るような格好じゃないのは分かるだろ?でも、この場所にいる。しかも本人は何を尋ねても無言でな…敵のスパイかもしれないし、そうでないかも知れない。それについて話し合っていた所だ」
隊長が話し終わると、その黒いワンピースを着た少女は、俺の方に近づいてきた。
そして、俺の目の前で止まり…。
「あなたは悲しい人」
そう一言言った。
「…この子、俺が預かります」
俺は隊長にそう言った。
「ココロ!?しかし…!!」
「別に問題は無いでしょ?責任は取ります。それに、敵のスパイなら殺すまでです」
そう言って俺は首都のある方向へ歩き始めた。
「着いて来てください、これからあなたを首都に連れて行きます」
そう俺が言うと、少女は無言で俺の後を歩き始めた。
「一体…何を考えてる…ココロ…」
隊長達は、そこから動くことなく、俺達が見えなくなるまで見ていた。
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