第1章

8/10

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「見ての通り、どう考えても戦争に来るような格好じゃないのは分かるだろ?でも、この場所にいる。しかも本人は何を尋ねても無言でな…敵のスパイかもしれないし、そうでないかも知れない。それについて話し合っていた所だ」 隊長が話し終わると、その黒いワンピースを着た少女は、俺の方に近づいてきた。 そして、俺の目の前で止まり…。 「あなたは悲しい人」 そう一言言った。 「…この子、俺が預かります」 俺は隊長にそう言った。 「ココロ!?しかし…!!」 「別に問題は無いでしょ?責任は取ります。それに、敵のスパイなら殺すまでです」 そう言って俺は首都のある方向へ歩き始めた。 「着いて来てください、これからあなたを首都に連れて行きます」 そう俺が言うと、少女は無言で俺の後を歩き始めた。 「一体…何を考えてる…ココロ…」 隊長達は、そこから動くことなく、俺達が見えなくなるまで見ていた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加