不器用な恋

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「……めんどくさい」  一人の男は次々とかかれていく文字を見ながら誰にも聞こえないように呟く。  その男はインテリアな眼鏡をかけており、普通よりは上の容姿をしていた。  男のことを知らなければいい印象を持つのかもしれないほどの容姿。  けど、問題は性格である。  男こと石川恭也は極度のめんどくさがり屋で何事にもめんどくさいと言い張る男。  だから、女性達には格好いいと思われているががモテない。  何とも矛盾した話である。 (……さてと、書かなかったら内申点もないと思うし、そろそろ書き始めるか)  やっと恭也はシャーペンを持って黒板に書かれている内容をノートに書き始める。  ……それからしばらく経ち、恭也は書いてる途中で間違えた場所に気づき、机の端っこに置いてある消しゴムに手を伸ばす。  すると恭也の指先が消しゴムに当たり、消しゴムは下に落ちて隣の席に座っている女性の足元に転がっていった。  そのことに女性は気づき、消しゴムを拾って恭也に差し出す。
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