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「なぁ大翔?」
「何だ?」
「このユメっていう奴はどこか夢(ゆめ)に似ていないか?」
写真を見つめていた目をもう一度目の前にいる大翔に向ける。
そこには大翔はいなく、何故か前の机の下に隠れて震えていた。
「そ、そんなわけないだろう! あいつがアイドルなわけないだろう!」
「お前、相変わらず夢の名前が出るだけで怯えるな。幼なじみのくせに」
「うるせー! それに、俺とあいつとは幼なじみって生易しい関係じゃねー! 俺にとってあいつは天敵の以外の何者でもねー!」
大翔がここまで夢という女性を嫌うには理由がある。
大翔は幼いとき、夢に痛い思いをさせられてきたのだ。
柔道の寝技の練習相手などを。
それ以来、夢の名前が出ると大翔は何故か怯え出すのである。
因みに、夢も恭也達と一緒のクラスである。
「……じゃあさ、お前が天敵っていう奴がお前の隣にいるって言ったら?」
そう言われた大翔は恐る恐る顔を横に向ける。
そこには満面の笑みを大翔に向ける眼鏡をかけたセミショートの一人の女性が立っていた。
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