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「……初めまして、私はこの屋敷で執事をやっている宮越(みやこし)というものです」
「今度からここでアルバイトをする事になりました石川紫苑です。よろしくお願いします」
一度は被ったヘルメットを取って軽く頭を下げる。
「こちらこそよろしくお願いします紫苑様」
「あの~、俺はあなたの下につく人間なので様付けはおかしいと思います」
「様はお気に召しませんですか。では紫苑さんというのはどうでしょうか?」
「それでいいです」
どうせこの人はこれ以上は砕いた呼び方をしてはくれない。
紫苑は何となくだけどそう思った。
そして紫苑はまたヘルメットを被ってバイクのエンジンをつけてバイクにまたがる。
「ねぇ!」
「何だ?」
今から走りだそうとしていた紫苑は自分を呼んだヒナタの顔を見る。
「また今度でもいいから後ろに乗らせてよ」
「……また今度な」
そういい残して紫苑は屋敷から去っていった。
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