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洗面所の前で美里は鼻歌を歌いながら身だしなみをきちんとしていた。
今日から高校生だということで美里は気分があがっている。
端から見たらそう思うが、実は違う理由で美里は気分があがっていた。
その理由とは……、
「なぁ紫苑、最近美里の態度が変じゃねーか?」
ここ一週間の美里の態度を不思議に思っている恭也は美里に気づかれないように隠れて見ていた。
血は繋がっていないがやはり兄弟。
妹の態度が変なのには気がかりであった。
「……そう言えばお前には言ってなかったな。実は美里に彼氏が出来たんだ」
「彼氏!」
あまりの事実に恭也は隠れているのを忘れて大声を出してしまった。
それに美里が気づかないはずもなく恭也の方に振り返る。
恭也は慌てて美里には見えないところに隠れた。
振り返った先に誰もいなかったことに不思議に思いながらも美里は鏡の方に振り返ってまた身だしなみを整える。
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