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「はぁ~あ、つーか俺疲れたし。めんどくせーから相手してやるよ、ほらさっさとしろババア」
「恭……アンタ誰に意見しとるか、解って言うてんのやろなぁ?」
「あぁ?誰も何もババアに決まってんじゃん。それとも何か?もうモウロクしたんですかー」
「……ほぉ~お。一端の口聞きよってからに覚悟はしとるんやろうなぁ……あぁ゙!?」
――ビュオッ!
「――チィ……ッ!」
「残念、ハッズレー」
恭の、あまりの物言いに口元を引き攣らせた妃咲は右上から左下へと薙刀で斬撃を繰り出すが恭は、それをなんなく躱し舌打ちする妃咲を嘲笑う。
「なぁにが『ハッズレー』じゃ、このタコがぁっ!!」
「俺タコじゃねーし。つーかタコは親父だろ」
アイツ、ハゲだしなと馬鹿にしたような口調で笑う恭に妃咲は大分、お冠となっていた。
「親父を……組長を馬鹿にすんじゃないよ!大体アンタは父親をなんやと思って……おまけに……」
「げっ、始まったよババアの説教という名のご高説ー。ウンザリなんですけどー」
クドクドクドクド。
とにかく恭に口を挟ませないほどの凄まじい剣幕で妃咲は恭に色々と言い聞かせる。
が、そんな説教をまともに聞いている恭ではない。
「ババアのくだらねー話しなんか一々、聞いてらんんねーし」
そう言いニンマリと口に弧を描かせながらも身を翻し妃咲を無視し自分の部屋へと向かおうとする。
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