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遥か昔の戦国武将。
鳴かぬなら殺してしまえホトトギスとは良く言ったもんだよなー。
まぁ、俺もソノ意見には同意するケド。
邪魔なら退かさせればいい。
退かないなら退くまで痛め付け紅い雨を降らせればいい。
そうでないなら存在自体を消してしまえばいい。
今の俺、誰かれ構わず、この世から消しちゃいたいぐらいに苛ついてるんだよねー。
何でって。
「アンタ、羽蔵 恭?」
「だったら、何」
「うわ、ラッキー!この道で待ってて良かった。アンタにゃ悪いが一緒に来てもらうぜ」
「はぁ?何、お前。頭沸いてんじゃねーの馬鹿丸出しなんだけどー。それよりさー、さっさとソコ退いてくんない邪魔なんだよねー」
「な、なんだとテメェ!」
理由は知らないけど、少し揺さぶっただけで逆上する頭の悪そうなガキが俺を待ち伏せてたから。
こんなのが目の前に居て絡んできたら誰でも最悪な気分になるよ。
「大体、お前ダレ?まさか男の癖に俺のストーカーだなんて言わなねーよな。悪いけど俺、そういう趣味ないからさーさっさと消えてくんない?目障りだから」
「……テメェ!さっきから言わせておけば調子に乗りやがって!!俺に逆らえば紀倉組のモンが黙ってねぇぞ」
「へぇー……今時まだ、そんな捨て台詞吐く奴なんかいたんだ」
俺より若い癖して任侠映画や小説なんかの見過ぎじゃね。
大体、そんな言葉言う時点で自分が下っ端だって言ってるようなもんだって気づかない時点で、この男終わってるよなー。
本当に上に立つ人間が、そんな間抜けた言葉言う訳ないから。
言うとしたら上に立ってるにも関わらず余程の馬鹿か下っ端の鉄砲玉扱いの奴だけでしょ。
紀倉組。
この男、近頃勢力上げてきたっていう成り上がりの組の下っ端か。
まぁ、いいや。
俺にとっちゃ実際そんなの、どうでもいい事な訳だし。
「悪いけどさー……今、俺物凄ーく機嫌悪いんだよねー……」
手加減なんか微塵もしてやれないぐらいにね。
だから忠告してアゲルー。
「ねぇ」
俺、やっさしー。
「逃げるなら……今だよ」
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