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「ちっきしょう……!!」
「へー、日本刀?」
平然としたまま拳を躱されたのが余程、気に食わなかったのか冷静さを欠いた男。
そんな男が自らの懐から取り出したのは抗争時や、いざといった時に護身用としても使えそうな短めの日本刀だった。
「ブチ殺してやる……!!」
「……ぶは、ブチ殺してやるとは随分と穏やかじゃないねー。でも嫌いじゃないよ、そーゆーの」
「煩せぇ!!死ねッ!!」
少し小馬鹿にしたように笑みを向ければ簡単に逆上して突っ込んでくる男、やれやれ。
「俺、相手に真っ直ぐ突っ込んでくるとはね……その向こう見ずで、命知らずな勇気と行動は認めてやるよ……だけどさー」
嘲笑したまま相手を見据えニヤリと笑う俺。
なぁ、俺は確かに忠告したぜ。
だから、
「覚悟、出来てんだよなァ?」
男が切り掛かってくる刹那。
俺は愛用の小型ナイフ四本を指に構え、んでもって――……。
「ぐあッ……!?」
「あはははっ、大当たりィ!!」
奴、目掛けて。
――投げてやった。
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