287人が本棚に入れています
本棚に追加
────………
いつの間にか閉じてしまっていた瞼を開ける。
横に目をやればソファーに座ったまま居眠りをする母がいた。
僕の視線に気付いたのか母は目を開いた。
『空?大丈夫?』
『うん…大丈夫だよ。』
ニッコリと作り笑いを浮かべる…
母は僕に近付くと頭を撫でた。
『──ッそ、ら…』
母の瞳から涙が溢れた。
僕の考えは的中していたようだ。
母はナースコールを押し、目覚めたことを告げる。
『……今、先生が見えるから…』
それだけ言うと母は再び黙りを決め込む…
母さん……?
なんで貴女が涙を落とすの?
医者が言うセリフは大体想像できていた。
──────………僕は……
【永くない】って…。
.
最初のコメントを投稿しよう!