空─ソラ─

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────……… いつの間にか閉じてしまっていた瞼を開ける。 横に目をやればソファーに座ったまま居眠りをする母がいた。 僕の視線に気付いたのか母は目を開いた。 『空?大丈夫?』 『うん…大丈夫だよ。』 ニッコリと作り笑いを浮かべる… 母は僕に近付くと頭を撫でた。 『──ッそ、ら…』 母の瞳から涙が溢れた。 僕の考えは的中していたようだ。 母はナースコールを押し、目覚めたことを告げる。 『……今、先生が見えるから…』 それだけ言うと母は再び黙りを決め込む… 母さん……? なんで貴女が涙を落とすの? 医者が言うセリフは大体想像できていた。 ──────………僕は…… 【永くない】って…。 .
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