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その人は、空を泳ぎながら街へ向かいました。
街は生きている人々が
ごったごった動いていました。
その中で花屋に入りました。
そこに、鉢植えを見つけそっと取ろうとしたとき……
「幽霊だからといってまた罪となることをして良いのでしょうか?」
ハッと振り返りました。
そこには、その人を真っ直ぐ見つめる男がおりました。
シルクハットに真っ黒い背広姿、黒いズボン、そして赤色の髪。
ニコリと微笑みをうかべ。
かさをたたんで入ってきます。
「私…見えるのですか?」
小鬼はともかく普通の人には見えない筈…幽霊なんて…
「おや、驚きかな?私が普通の人だとでも?さ。欲しいものがございましたらこちらへどうぞ」
とさっきまでなかった
木のドアがありました。
男はギィとドアを開け、手招きします。
その人は息を呑んで、中へ入りました。
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