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というように差し出します。
その人は呆然と立って、コクンとただ頷きました。
「でも…」やっとのこと声を出した。
「でも私お金を持ってません…」
か細く言いました。
「何!気にすることは御座いません。幽霊がお金を持ってませんことは百も承知です」
と、気軽にはねのけました。
「でも…」
と、その人は気を悪そうに引きました。
そこでしばし男が黙りそして言いました。
「よし、分かりましたなんなら目的果たしについでに私の所で働いてくれれば良いです」
それでも、その人はまごつきました。
「でも私かさを返したら上へ行くつもりでしたし…」
すると朗らかに男は言いました。
「なに、案ずることはない。あっちほどつまらない所はないしね」
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