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「あの…ではーー返していただけますか?そのかさを」
小鬼はハッとしました。
「ああ。いいともっぼくの願いを聞き入れてくれた君にかさを返そうまだこちらのほうが素晴らしいのでね」
そういって、腕をゴムのように伸ばしてかさをその人に渡しました。
「そうそう、この植物はどうやって育てられるのかな?」
「みずを与えて下さい」
その人は答えました。
「ふむ。では小鳥たちにでも運ばせよう
それともう一つ
なぜそんなにそのかさに執着しているのかね」
その人は戸惑うように答えます。
「それは……それは……
自分の願望かもしれません…」
「なるほど、…それが正しいのかもしれんな」
小鬼はゆったりと言い、静かに自分の世界に入っていきました。
その人はそうっと
虚から出ました。
しっかりかさを抱えて。
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