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私達はまだ幼いから、 産めるわけがない。 『中絶』 選択肢は それしかなかった。 だからわかるでしょう? あなたを殺すのは 仕方のないことなの。 「産まれてきたかった」 なんて言わないで。 例え産んだとしても 育てられるわけが ないでしょう!? 私達はまだ子供だから、 親になんてなれないの。 「ごめんなさい」 そんな風には 思えなかった。 だけど…。 深い闇に 落とされていく不安。 今度目が開いた時には このお腹にいた 小さな『命』は、 消えている。 何事もなかったように 日常がまた訪れるのだ。 だけどあなたには その日常はやってこない。 もう二度と。 永遠に。 「ごめんなさい…」 あなたの人生を奪って 『ごめんなさい』 子供の誕生を 喜べない母親で 『ごめんなさい』 ………。
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