氷の微笑

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12月24日・・・ クリスマス・イブ 街は賑わい、親子、カップルであふれていた ビルとビルの隙間に一つの人影があった・・・ [ゴホッゴホッ・・・さみぃな・・・] 手にはさっき万引きしたおにぎりが二つと冷たいコーヒーを持っていた [今日の夕食は結構豪勢だな・・さて・・食ったらもう一働きすっかな] カップル 「やだぁ、みて!浮浪者!」 「クリスマスイブだってのに可哀想だね・・」 [あぁ?] カップル 「やだぁ!行こ!」 ったくお前等に慰めくらうほど落ちぶれてねぇっつーの! 親のスネかじって、自分一人で生きてない奴の方がよっぽど・・・ ま・・今の俺も生きてるうちに入らんか・・・ そういえば・・・俺今日で16かぁ・・・はやいな・・ とりあえず、まともな着るものどうにかしないと凍え死ぬな・・・ [さて・・・行くかな・・] たどり着いたのは、ゲームセンター 今日のターゲットはゲームに夢中になってる奴のケツポケットに入ってる財布 クリスマスだから中身は少し期待できる [お・・あのオヤジ・・・・財布が落ちそうだ♪・・・って子供いんのかよ!?ダメだ!次] 俺は子連れの奴から擦らない [あいつなら・・・] 丁度30くらいの奴がスロットを打っていた この時間にゲーセンで一人、女と待ち合わせか・・・一人クリスマスか・・ まぁあの容姿なら女と待ち合わせだな・・ 椅子に座ってるのがきついな・・・ [すいません・・・あっちで店員さん呼んでましたけど・・] 「あ、本当ですか?わかりました」 いや、呼んでるわけないだろ!おかしいって気付け 立ち上がった瞬間に財布を抜く、その瞬間が一番気付かれにくい・・
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