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「お兄ちゃん…。」
懐かしい。
ずっと病院に行かなかったけど…お兄ちゃんは生きてるのだろうか?
お兄ちゃんの、お母さんの手紙を見ると…微妙で分からない。
「ふぅ…。」
私は一呼吸して手に持っている便箋を一旦、ベッドの上に置いた。
何だか、物凄く緊張する。
お兄ちゃんからの始めての手紙。
「…。」
意を決し、ひまわりの花びらの様な柄のついた便箋を手に持った。
「…古い?」
折り曲げた所が、ちょっと茶色く変色している。
それに、何だか震えた様な字をしている。
私は、そんな文字に目を通した。
『夏奈恵ちゃん、久しぶり。
僕の事を覚えてる?
夏奈恵ちゃんに会いたいよ。』
私も、お兄ちゃんに会いたい。
『僕ね、あの事故から9年たって目が覚めたみたいなんだ。
だから何で病院にいるのか分からなかったんだよ。
それに、日付。
今が何年の何月なのかも全然分からなくて、凄く大変だったよ。』
9年…。
じゃぁ…私が19歳の時に目を覚ましたんだ。
良かった。
お兄ちゃんは生きてる!!
興奮しながら私は、文字の続きに目をやった。
『話しはかわるけど、夏奈恵ちゃん、今でも僕の事を好きでいてくれてるのかな?
僕は今でも好きだよ。』
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