ひまわりの季節

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「ただいま。」 「お帰り、夏奈恵。あ、貴女に手紙が届いてるわよ。」 専門学校から帰ると直ぐ、優しい母が私に白い封筒を手渡した。 「誰から?」 「うん…差出人の名前が書かれて無いから、誰からの物か母さん分からないのよ。 でも綺麗な字で此所の住所と夏奈恵の名前が書いてあるから、怪しい物ではないと思うわ。」 「ふーん…分かった。部屋で読んで見る。」 「さてと…開けて見るか。」 白い封筒の端をカッターで切り、中から白い便箋を引っ張り出す。 「…何かちょっと良い匂い。」 便箋からは花の様な甘くて癒される匂いがする。 こんな手紙を貰ったのは生まれて始めて。 「よっと。」 ベッドに座って便箋を開く。 花の香りがより強く、鼻をくすぐる。 「本当に良い匂い。だけど、誰からなんだろう?」 便箋の綺麗な文字に目を通す。 『お久し振りです。 いきなり、こんな手紙を出して驚かれている事と思います。 私も、差出人不明の誰か分からない人から出された手紙を怪しく思う様な女なので、貴女の気持ちが痛い程分かります。 ですが…どうしても貴女に手紙を書かなくてはいけなくなってしまったのです。 貴女に伝えなくてはならない事が…。』 「伝えなくてはならない事?」
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