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「本当だもん!!」
ぶぅ~と私は頬を膨らませた。
「あははは、分かったよ。
夏奈恵ちゃんは僕の事が大好きなんだよね~?」
「うん♪」
雅樹お兄ちゃんは私の初恋の人。
私が10歳で、雅樹お兄ちゃんが20歳。
私は子供で、お兄ちゃんは大人。
「僕も夏奈恵ちゃんの事、大好きだよ。」
笑顔で私の頭をクシャクシャっと撫でる。
お兄ちゃんに頭を撫でて貰う事が一番嬉しい。
「あ!!」
「なっ何!?」
お兄ちゃんに撫でられて、ある事を思い出した。
「学校の机の中に髪留め忘れちゃった!!」
「もしかして、可愛い子猫の?」
「うん!!お母さんにこの前買って貰ったんだよ。
学校の中で泥棒が増えてるから大事な物は肌身放さず持っときなさいって先生と、お母さんに言われてたのに忘れて来ちゃった。
どうしよう…。」
「…一緒に学校行こうか?」
「えっ?」
「ほらっ、僕の大学って絵を専門…って言っても分からないよね…。」
私は頷く。
すると
「簡単に言うと、絵の勉強をしてるんだ。
だから夏奈恵ちゃんの学校を見て、自分の頭の中に入れて後から絵に描いてみようと思ったんだ。」
私に分かりやすい様に説明。
それを理解した私は
「それなら一緒に教室にも行こうね♪」
お兄ちゃんの手を握った。
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