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「らんらんら~ん♪」
「るんるんる~ん♪」
お兄ちゃんと手を繋いで鼻歌を歌いながら、私はスキップ。
いつも通る道が今は違う道に感じる。
お兄ちゃんと一緒に居るだけで、こんなに違うなんて。
何だか魔法にかけられたみたい。
「夏奈恵ちゃん、此所は工事してるから別の道から行こう。」
学校が終わって、お兄ちゃんの所に行くまでは工事はしていなかったけど、今はヘルメットを被ったオジサン達が汗を流して頑張っている。
「うん。」
お兄ちゃんとだったら、どんな道を歩いても楽しいもんね♪
いつもとは違う道を歩いていると、沢山の車が走っていて右左確認しても危なさそう。
「夏奈恵ちゃん、ボタン押して来るからちょっと待ってて。」
言い、太陽がカンカンだから、お兄ちゃんは私を木の影になっている所に立たせ、私から手を放して横断歩道のボタンを押しに、ちょっと離れた場所へ。
「セミが五月蠅いなぁー。」
道の回りにある沢山の木から、セミの大合唱。
「うわっ!!おしっこかけられた~。」
セミの一匹が私におしっこをかけて、笑いながら何処かへ飛んでった。
お兄ちゃんは、それを見てたみたい。
ボタンを押して直ぐ私の側へ来て、ハンカチで濡れた顔と髪を拭いてくれた。
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