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「お兄…あ、大丈夫。お兄ちゃんは大丈夫よ!!」
「お兄ちゃん何処!?何処に居るの!?」
お兄ちゃんの姿が見えない。
「お兄ちゃーん!!!」
泣き叫ぶ私の耳に
「こ…こだ…よ。」
お兄ちゃんの小さい声。
私は声のした方を見た。
!?
「お兄ちゃ…ん?」
頭から沢山の血が流れてる。
それに、お兄ちゃんは私の手を放してなんか無かった。
ちゃんと私の手を握ってる。
それなのに私には、お兄ちゃんの姿が見えなかった。
今思えば、パニック状態に陥っていたんだと思う。
「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!」
お兄ちゃんの手を強く握った。
すると
「触らないで!!今から救急車が来るから、あまり触らないの。」
さっきとは別の女の人が私を怒る。
「何で!?何でダメなの!?
お兄ちゃん、どうしちゃったの!?
どうして血が出てるの!!!」
「危ない!!誰か、その子を押さえてて!!」
「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!」
私の呼び掛けに、お兄ちゃんは優しく笑いかけて眠りについた。
病院で検査をした次の日、私はお兄ちゃんが眠る部屋へ。
集中治療室と書かれているらしい部屋には、私を入れる事が出来ないらしく、私は部屋の外から(透明のガラス)お兄ちゃんの姿を見る。
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