天使

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天使

天使。創造主「神」によって世界を形作る為に「炎」から造られた存在。土くれから創り出された人間とは違い、あくまで純粋な存在。純粋であるが故、天と地、人や悪魔から、多くの「ゆらぎ」を受ける。 神の意思の代行者である天使。今、人の世では無数といえる天使の存在が知られている。神の命を直に受け、天使の軍団を率いる至高の大天使たち。その配下にはセラフを筆頭とする「九階級の天使」達が付き従う。しかし、聖書正典において名の記された天使はミカエル・ガブリエルのみ。かつ、正典に「天使の階級」という概念を明確に規定する記述は存在しない。 では、この聖なる存在「天使」を、我々は如何様に知ることになったのか? ひとつは、偽ディオニュシオスの「天上位階論」。6世紀ヘレニズム文化花咲く頃、シリアにて編み出された偽典。後の神学者に多大な影響を与えたこの書物は、戦乱明けやらぬ13世紀ヨーロッパの地において、天使的博士(DoctorAngelicus)聖トマス・アクィナスの手により「神学大全」として再構築されたことで、教会の権威を得るに至った。 そして、「旧約聖書外典・エノク書」。この貴重な天界録は、その秘められし事実を世に明かすこと無く、歴史の闇に沈んだアポクリファとして、18世紀エチオピアの教会で発見されるまで、ただ朽ちる時を待っていたのだ。 エノクは記す。七層から成る天界を、自らの身でを進み知りえたその世界の有様を。そして、そこで出会った至高であり畏怖すべき天使達の存在を。
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