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「同じ学校だったんだ!」
少年は太陽のように笑った。
「うん、一年。」
円はドキドキしていた。
「仔犬元気?」
「うん!もうミルク卒業したよ!」
二人はまるで昔からの知り合いのように話していた。
「円?どうしたの?」
教室から麻美が顔を出した。
少年の顔を見た麻美の顔が赤くなるのがわかった。
「誰?」
麻美は小さな声で円に尋ねた。
聞かれたのはいいが、円も名前を聞いてない。
「私、樋口円です。あの時はありがとう!ちなみにワンチャンの名前、疾風って決まりました!」
わざと明るく振る舞った。
「俺は青山恭耶。いい名前つけたね!疾風か~」
少年が、いやっ、恭耶が笑うたびに円の胸はキュンと鳴った。
「あっ、俺急ぐから!またな!」
恭耶は風のように走り去った。
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