再会

3/6
前へ
/72ページ
次へ
「同じ学校だったんだ!」 少年は太陽のように笑った。 「うん、一年。」 円はドキドキしていた。 「仔犬元気?」 「うん!もうミルク卒業したよ!」 二人はまるで昔からの知り合いのように話していた。 「円?どうしたの?」 教室から麻美が顔を出した。 少年の顔を見た麻美の顔が赤くなるのがわかった。 「誰?」 麻美は小さな声で円に尋ねた。 聞かれたのはいいが、円も名前を聞いてない。 「私、樋口円です。あの時はありがとう!ちなみにワンチャンの名前、疾風って決まりました!」 わざと明るく振る舞った。 「俺は青山恭耶。いい名前つけたね!疾風か~」 少年が、いやっ、恭耶が笑うたびに円の胸はキュンと鳴った。 「あっ、俺急ぐから!またな!」 恭耶は風のように走り去った。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加