言わないで

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「有り得ないから!でも、なんかポジティブな考え方だね~」 いつの間にか一也に対して親近感を持っていた。 「一歩踏み出してみたら?勇気は誰でも出せるんだからさ!」 一也の言葉は不思議と心に響いた。 「フラれたら俺が慰めてやるよ!」 そう言った一也はいきなり円の頬をペロッと舐めた。 「キャッ!」 円は頬を押さえながら悲鳴をあげた。 「涙ってしょっぱいんだね!」 そう言って風のように去って行った。 …疾風みたい… 円は一也の後姿を見ながら温かい気持ちになっていた。
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