本当の事

2/10
前へ
/72ページ
次へ
毎日恭耶への思いをかくしたまま過ごす円。 麻美は自分が告白した経験からか、以前は困ったような表情で断って来た告白に、相手の気持ちを考え誠意を持って接するようになっていた。 「麻美変わったね。」 円は麻美に言った。 「勇気を出してみんな私に告白してくれていたんだって…自分が告白して初めてわかったの。だからかな…青山君がちゃんと向き合ってくれたから、告白してよかったって思えた。」 「あいつが好きになる子って、どんな子なんだろうな~」 つい口にしていた円。 「気になるの?」 麻美の大きな目が円を見た。 「好奇心だよ~」 円は慌ててごまかした。 「円は好きな人いないの?私、いつも迷惑かけてばかりだから、たまには円の役にたちたいな!」 笑顔の麻美。 心が痛かった。 …麻美に嘘をついている… そんな思いが円を苦しめていた。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加